地域再生(相続コラム61)

不動産相続について

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比較的気温の高い日が多くだんだんと春が近づいています。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

本日お話しするテーマは「地域再生」について。


先日の日経新聞にも一面で掲載されていたテーマです。
新聞の記事の内容を抜粋します。

管理状態の悪い空き家の戸数が全国に100万戸程あるそうです。
ちなみに空き家の戸数は350万戸でその3分の1が状態に問題あり。
昨年3月末時点で解体したり、利活用したのは全体の16.7%ほど。
都道府県別にみると埼玉県が30.3%と3割を超えました。
埼玉県の取り組みで注目すべきは、139戸に対して助言を行い
そのうちの100戸で修繕あるいは撤去に結びついたということです。


おそらく、「何かしら手を打とう」と考えてはいても、
緊急度や優先順位は高くなく、後回しにしていたものを
助言されたことをきっかけに緊急度が高いことを知り、
その方の中での優先順位が上がったことで行動に結びついたのでは、と思います。
行政のみが対応するにはその戸数があまりにも多いので官民連携が必要です。


昨年12月に改正された「空き家特別措置法」のなかでは、
「倒壊の危険」に加えて「窓や壁の一部毀損」などの管理不全についても
行政指導の対象としたことで今までよりも行政指導のハードルが下がりました。

要するに倒壊危険とまでは言わなくてもきちんと管理していないと、
指導対象になり固定資産税の負担が一気に増加します。

来月からは「相続登記の義務化」も施行されるので放置しておくこともできません。


埼玉県の事例を見る限り、「動き出すきっかけ」が必要なのかもしれません。
何とかしなくてはと思いつつ、そのうちに…と放置されてしまうのです。
できるだけ早く、いろいろな窓口を頼って相談することが必要になります。

自分の抱えている問題が明確になっているならば窓口を絞れると思いますが、
そもそも何が問題かが分かっていないとどこに相談すればいいのかもわからずに
結局先送りしてしまうことが考えられます。

弊社に相談に来られる方の多くが、問題点を明確に認識していません。
わたしたちはできるだけ細かくお話しを伺いながらまずは問題点を特定していきます。

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ちなみに移住希望地に関するランキングも出していました。
全国の自治体と連携して移住相談にのっているNPO法人の昨年の統計ですが、
1位が4年連続で静岡県、東京へのアクセスも考えるとうなずけます。
2位は群馬県がランクインしたとのことです。

同NPOがもう一つ、セミナー参加者からのアンケートでのランキングも出ていました。
こちらは群馬県が第1位でした!
「古民家DIY」というキーワードが上がっていました。

確かに群馬県には築50年を超える木造住宅が多く存在しています。
海から離れた場所に位置するため湿度が低く傷みにくい傾向があるのでしょうか。

そういった住宅を安く買って自分たちの好みに仕上げるDIYが人気です。

YouTubeなどを見ても自分たちでここまでできるのか、と驚くようなリフォームを
紹介している動画がたくさんあります。
群馬県、いろいろ注目され人気が上がってくるかもしれません。





この記事を書いた人

伊藤明灯戸

不動産業界に30年以上。
相続に関しての相談実績が豊富で、家族信託を得意としています。
財産の管理を行うステージ、財産の承継を行うステージに分けて問題点を抽出し
家族構成、資産構成に合わせご提案をしています。
宅建士、コンサルティングマスター、相続対策専門士、家族信託コーディネーター。
悩んでいることがありましたら、ぜひ聞かせてください。