家族信託®︎という選択(相続コラム56)

不動産相続について

今年は暖かい冬の日が続いています。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
家族信託®︎という選択(相続コラム56)の画像1
本日のテーマは、何度か取り上げている「家族信託®︎」について。


先日も、コラムをご覧の方がご相談にいらっしゃいました。
桐生市で「家族信託®︎」について相談できる窓口がここしかないと。
まだまだ浸透していませんし、初めて耳にする方も多いのではと思います。

「家族信託®︎」は、財産管理ステージでも財産承継ステージでも効果を発揮します。
本日は、どのような方が検討すべきなのかを解説します。


親の家が不要になったら売却したい方
(親は施設に入り自宅は残しておく必要がない場合など)
相続税対策のためにアパートを建築したい方
(長期に渡る建築に関する手続きや融資関係手続き、完成後の賃貸借契約手続き)
保有しているアパートの契約や修繕を継続的に行う方
(入退室に伴う賃貸借契約、更新手続き、大きな支出を伴う修繕工事)
定期預金など今すぐ解約できないが満期になったら解約したい方
(満期の時点で判断能力に不安がある場合)
障害のある子どものために柔軟に資産運用を考えている方
(預貯金では将来目減りするので、収益不動産などで運用を考える場合)
ペットの世話をしてもらうために財産を残したい方
(ペットは相続人になれないので自分の代わりに世話を頼みたい場合)

他にもいろいろありますが、比較的多いのはこのような事例です。

認知症などにより判断能力が衰えた場合
基本的には不動産の売却、預貯金の解約などができなくなります。

判断能力が低下してから亡くなるまでの間の期間は結構長くあることが多く
その間財産が凍結されることで不利益が考えられる場合に、「家族信託®︎」はとても有効な手段です。


ここで大切なのは「家族信託®︎」は、一つの財産管理・承継の選択肢にすぎないということ。
信託契約をしておけば万事問題なしとはならないことをご理解ください。
実際にどのような財産管理・承継を行いたいかは十人十色で決まりきった型がありません。
ご家族皆さんのお話しを聞かせていていただいたうえで契約書をお作りしますが、
成年後見制度との併用や信託財産の切り分けなど、個別の案件においては、同じものなどないのです。

「家族信託®︎」は手段であって目的ではありません。
私たちが「家族信託®︎」に関する相談を受ける際に大切にしていることは以上です。

家族信託®︎という選択(相続コラム56)の画像2
少し時間が掛かりますし、費用もそれなりにかかりますが、
遺言書の機能も含めてかなり自由にデザインすることが可能です。


「自分たちの場合にも有効ですか?」というご質問もよくいただきます。

お気軽にご相談ください。


この記事を書いた人

伊藤明灯戸

不動産業界に30年以上。
相続に関しての相談実績が豊富で、家族信託を得意としています。
財産の管理を行うステージ、財産の承継を行うステージに分けて問題点を抽出し
家族構成、資産構成に合わせご提案をしています。
宅建士、コンサルティングマスター、相続対策専門士、家族信託コーディネーター。
悩んでいることがありましたら、ぜひ聞かせてください。